よく行く豊中の稲荷山公園に長い花穂を垂らした木が茂っている。6月から10月頃まで堅果を長い数珠のようにぶら下げて、秋にはパラパラと落としていく。名標板にはサワグルミと書いてあったが、後にシナサワグルミと書き直された。 サワグルミとシナサワグルミは、共に長い花穂を垂らし、葉も羽状複葉であり、とても似ているが、よく見るとはっきりと区別できる。サワグルミは日本固有種であるが、シナサワグルミは明治初期に渡来した外来種である。 垂れ下がった堅果を見ると、シナサワグルミでは立派な翼が水平に伸びているが、サワグルミでは円盤状である。次に葉を見ると、シナサワグルミはたいてい偶数羽状複葉で、葉軸に翼が付いているが、サワグルミは奇数羽状複葉で翼がない。 サワグルミは山地の谷筋でよく見かける大木であるが、街ではあまり見かけない。これに対して、シナサワグルミは公園樹としてよく使われるので、市街地でも見られる。 |