ノビネチドリは、ハクサンチドリ、テガタチドリと並ぶ、赤いラン科の花の代表である。後二者と異なり、西日本の高山でも見られるようである。花の形はチドリであるが、萼片よりも唇弁が目立ち、距も短い。距の先端が曲がるのも特徴である。弥陀ヶ原のノビネチドリは塔状花がまばらであったが、志賀高原で撮ったものは溢れるばかりに付いていた。花期は5−7月である。 葉は葉脈が平行に走る単子葉であるが、ハクサンチドリに比べると幅が広く楕円形で、葉の縁が波打っている。ノビネチドリの名前の由来は、細い根が横に伸びるからだとされるが、根を十分に観察していないので真偽は分からない。 学名は Gymnadenia camtschaticaで、ラン科テガタチドリ属の多年草である。日本全土の深山、高山に生える。 |