ハクサンチドリ−白山千鳥
 Dactylorhiza aristata
 2008.6.5(礼文島-200m)、2012.7.26(大雪山-1500m)、2014.7.16(秋田駒ヶ岳-1400m)、2017.7.10(弥陀ヶ原-1900m)


 ラン科の優美な高山植物「チドリ」の中で、最もよくお目にかかるのはハクサンチドリであろう。中部以北の訪れた高山で大抵お目にかかる。礼文島まで北上すると、標高200mでも見られる。「チドリ」とはよく名付けたもので、花をよく見ると飛翔するチドリの姿が連想される。その姿は何度見ても飽きず美しい。テガタチドリノビネチドリと並んで、赤いラン科の花の代表である。
 花の色は随分と変化があり、赤紫の濃い色から淡いピンク、更には白色のものもある。北海道の礼文島や大雪山で撮ったものは、花色が濃く背丈が低いが、中部山岳で撮ったものは比較的色が薄く、背丈は高い。花の形はよく見ると複雑で、長い距を持ち、チドリの飛翔を思わせる側萼片と背萼片は鋭く尖っている。唇弁は平たく円盤状であるが、濃い紫の模様があり先端は尖る。花の部分の名称を5枚目の写真に付けてある。花期は6-8月と長い。
 学名は Dactylorhiza aristataで、ラン科ハクサンチドリ属の多年草である。北海道および中部地方以北の高山に分布する。

秋田駒ヶ岳のハクサンチドリ−やや色が薄い(2014.7.16)


 下の方にシロバナハクサンチドリが見える


 千鳥の形がよく解る。上唇は3枚で細く尖る。


弥陀ヶ原のハクサンチドリ(2009.7.16)


 長い距がよく見える。花の構造の名称を記入した。


大雪山黒岳ののハクサンチドリ(2012.7.26)


 千鳥の形がよく解る。下唇弁の形は丸い。


礼文島のハクサンチドリ−色が濃く背が低い(2008.6.5)


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