イブキフウロ−伊吹風露
 Geranium yesoense var. lobato-dentatum
 2012.8.16(伊吹山-1300m)、2016.7.17(高ボッチ-1650m)


 フウロソウはかれんで美しく、山で見るとホッと慰められる。花の色は白−ピンク−紫と変化があるが、花弁の先が3つに切れ込んでいるものはイブキフウロだけである。基準標本は北海道東部のものなので、フギレエゾフウロとも呼ばれる。エゾフウロの花弁には切れ込みがない。写真に載せてあるのは、伊吹山で撮ったものと、高ボッチで写したものである。
 フウロソウで最もよく見るのはハクサンフウロであるが、地域的に亞種が多く、関東北部のタカネグンバイフウロ、北海道で見られるチシマフウロ、中国・四国地方に多いヒメフウロ、イヨフウロなどがある。葉はいずれも大きく5−7裂し、裂片は更に大きく切れ込んでいる。
 学名は Geranium yesoense var. lobato-dentatumで、フウロソウ科フウロソウ属の多年草である。花期は7−8月。日本固有種で、北海道と伊吹山以北の山地に生える。

花の中央に雄しべが見える(伊吹山、2007.8.16)


下部の葉はなかなか鋭い


切れ込みが不揃いだが、雌しべが綺麗に開いている(高ボッチ、2016.7.17)


葉の切れ込みがよく解る


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