マルバヤナギ−丸葉柳 (2016.4.27(豊中稲荷公園))
 Salix chaenomeloides


 よく行く公園で気になっている木があった。いかにも荒々しい木で、公園の木々の中でもよく目立つのだが、同定できていなかった。何とか同定したくて花を捜したが、高くて見えない。ところが、最近たまたま下の方の新枝に実が付いているのを発見した。更に1月余り経って、実から綿毛が出ていることが分かってようやく「マルバヤナギ」と同定できた。別名「アカメヤナギ」とも言う。
 マルバヤナギは、日当たりの良い水辺に自生する落葉高木であるのに、何故こんな丘の上の公園に生えているのか疑問だったが、戦前の地図を調べて理由が分かった。この公園はかなり広い池を埋め立てて出来たもので、この木々は当初水辺に生えていたことになる。枚方の山田池公園の水辺に生えているマルバヤナギの写真は以前にご紹介した。
 マルバヤナギは、名の通り卵形の丸い葉を持っており、葉には細かい鋸歯がある。若葉が赤みを帯びているので、アカメヤナギとも言う。雌雄異株で、4-5月に尾状花序をつける。やがて実が付き、それがはじけると綿毛の付いた種子が風に浮遊する。一般に、綿毛が付いた柳の種は「柳絮(りゅうじょ)」と呼ばれ、「柳絮の才」とは中国の故事で非凡な才女を指す。
 学名はSalix chaenomeloidesで、ヤナギ科ヤナギ属である。


稲荷公園の気になる木


同定のきっかけになった新枝の実。


よく見ると細かい綿毛が...。


6月には実がはじけて、中の種子が飛び立つ準備をしている。


葉は丸く、細かい鋸歯がある。


咲いている雄花−梢から落下してきたもの(2002年京都府立植物園で)


実の殻は枯れて綿毛だけが一杯に付いている花穂(京都府立植物園)


高い梢には花が見える(京都府立植物園)


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