コウゾ−楮 (2003.5.22、2005.4.30)
 Broussonetia kazinoki×Broussonetia papyrifera


 これまで、コウゾはヒメコウゾの別名という立場で分類していたが、本によってはこの2つを区別したものもあるので、別ページを立てることにした。きっかけは入野さんが不明の花の写真を送って下さったことであった。よく調べてみると、ヒメコウゾは雌雄同株であるがコウゾは異株と言うことで区別できる。尤も、コウゾ属は花の形、葉の形、幹の樹皮などが似ているので、なかなか区別が難しい。少しまとめてみた。
 カジノキ  雌雄異株 葉の表面はざらつき、葉柄には毛が密生する。雄花は細長い。花期は5−6月。
       学名:Broussonetia papyrifera
 ヒメコウゾ 雌雄同株 葉の表面はざらつくが、葉柄の毛は少ない。雄花は丸く固まる。花期は4−5月。
       学名:Broussonetia kazinoki
 コウゾ   雌雄異株 葉の表面はざらつくが、葉柄の毛は少ない。雄花は丸く固まる。花期は4−5月。
       学名:Broussonetia kazinoki×Broussonetia papyrifera
 コウゾ・ミツマタ・カジノキの樹皮をほぐした繊維は、和紙の原料として良く知られている。ミツマタはジンチョウゲ科であるが、コウゾとカジノキはクワ科である。コウゾはヒメコウゾとカジノキの交配種で和紙作りのために作られた品種である。コウゾとヒメコウゾは4−5月に特徴的な花を付ける。雌花からは丸い集合果ができ、6−7月には燈赤色に熟して食べられる。
 学名はBroussonetia kazinoki×Broussonetia papyriferaで、クワ科コウゾ属の落葉低木である。北海道以外の日本全土に分布する。

雌花(2005.4.30 半田山植物園)



集合果が大きくなってきたが、まだ色付かない(2003.5.22 京大農学部植物園)


  まだ雌しべ?が残っている。


葉の形は色々である。


通常の葉の表


  裏


木の幹と樹皮


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