ケンポナシは実の形が特異なので、実の写真のページに「...花よりも実に特徴があります。」と書いていたら、北信州の花に詳しい岡田農園の岡田さんから「花もけっこう個性的だと思います。」と言うメールに添えて綺麗な写真を頂いた。 写真を見て、岡田さんの言われたことに納得した。なかなか個性的で素敵な白い花だ。咲き始めの頃は、白い5個の萼片のみが反り返っていて、雄蘂は花弁に包まれて立っている。やがて、花弁は雄蘂と共に反り返りはじめ、中央の雌蘂が露わになる。花弁は更に雄蘂を包み込んで萼と同じ所まで反り返り、5個の萼の間から白い棒が突き出たように見える。写真の花はこの段階である。5弁と見えるのは実は白い萼片である。花の大きさは直径7mm程度で、6ー7月に枝先に集散花序となって沢山付く。 学名はHovenia dulcisで、クロウメモドキ科ケンポナシ属の落葉高木である。北海道南部以南の日本全土に育つ。 なお、岡田さんは北信州の道草図鑑という素晴らしいホームページを作っておられる。 |