長い冬の間、赤い実が楽しめる木である。大きな葉は、茎が赤く、アカメガシワの葉に似ている。4ー5月、枝先に20−30cmの円錐花序をだす。秋の真っ赤な実が印象的である。12月、葉が全部落ちた後も、小粒のブドウのような赤い実が垂れ下がっている。不思議と鳥に食べられないようである。 京大理学部1号館の北東角に2本のイイギリの木が夫婦で立っていたが、今年の夏に台風で倒れるおそれがあるからと、雄木の方が伐られてしまった。今年の雌木は、それを悼むかのように、例年になく鮮やかな赤い実を付けている。 学名は、Idesia polycarpaで、イイギリ科イイギリ属である。 ************************************************************************ 東京のナカオカさんからイイギリの実について、素敵なお便りを頂きました。 最下段の枠内をご覧下さい。(2001年5月) |
都心の保存緑地に面した自宅の窓から、イイギリが見えます。 鳥も食べないまずい実(?)ということを、 私もどこかで読みました。 ところが、自然の摂理でしょうか、 どの木々の実も落ちて、冬も終わりという頃、 このイイギリの実に鳥が集まってきます。 おもにヒヨドリです。 年末頃でしょうか、 群れでやってきて、それぞれが 木の四方八方から襲いかかるように飛びつき、 1粒、1粒加えて呑み込みます。 今年は、年が明けてすぐ、 カラスの群れ、十羽くらいが一度に来て、 むさぼるように食べていました。 カラスの食べ方は雑で、 イイギリの実を、房ごとくちばしで食いちぎり、 いっぱい食べこぼしを落とします。 おかげで、残っていた実の房が、 一度の襲撃で数えるほどになってしまいました。 残りをヒヨドリがついばんで、 しばらくして実はすっかりなくなりました。 (東京のナカオカさんより。2001年5月) |