万博公園に何度も撮りに行って撮れなかった花である。3月中旬に行くと、もう雄蘂がすっかり黒くなっている。その花を、梅本さんが新宿御苑で写して下さった。赤い雄蘂が綺麗である。3月初旬に、葉が出る前に緑色の両性花を付けるが、雄蘂が赤いので、赤い花に見える。花の後は、翼果が長く留まっている。 2005年の春の花は、注意深く高木の梢を見上げた野坂さんが、花を見付けてズームで綺麗に取ってくださった写真である。20日後に写された写真では、すっかり翼果となっている。その後、葉の写真も送っていただいた。 ニレの葉は、その基部が左右対称でないのが特徴である。アキニレが荒い鈍鋸歯であるのに対して、ハルニレは細かい重鋸歯があり、容易に区別できる。北国では30m以上にも育つ木で、関東以北にはハルニレの巨木が多い。 学名はUlmus davidiana var. japonicaで、ニレ科ニレ属である。単にニレと言う場合はハルニレを指す。 ******************************************************* 野坂さんがハルニレの紅葉の写真を送って下さった。これで、ハルニレの一年が終わり、冬の寒さを冬芽で耐えて、来春の花へと繋がっていく。(2009年11月) |