クマガイソウ−熊谷草 (2020.5.20、宮崎さん、塩尻市北小野-820m)
 Cypripedium japonicum


 高校同窓の宮崎さんからクマガイソウの写真が届いた。宮崎さんは信州在住で、地の利を生かして山々を歩き、高山植物にとても詳しい。 写真のクマガイソウは自宅で育てられたものである。クマガイソウは北海道から九州まで分布しているが、 レッドリストの絶滅危惧II類(VU)に指定されており、幾つかの県では絶滅している。主たる原因 は盗掘である。
 クマガイソウはアツモリソウと似て、5枚の唇弁のうちの下唇が大きく膨らんだ独特の形をしている。 この形が中世の武士が矢よけに背負った母衣(ほろ)に似ているので、源平合戦を戦った武士の名前 (源氏の熊谷直実と平家の平敦盛)をとって、クマガイソウとアツモリソウと呼ぶようになったといわれる。 花は4-5月に咲き、白色で紫紅色の縞が入った10cm近い唇弁を持つ。葉も特徴的で、直径15cmほどの扇形の大きな葉が対生する。 花は形も色も実に印象的である。
 学名はCypripedium japonicumで、ラン科アツモリソウ属の多年草である。北海道南部から九州にかけての山林や竹藪に生え, 20-40cmになる。

宮崎さんの庭に咲くクマガイソウ


緑色の4枚の花弁と白く大きな唇弁がよくわかる


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