シソ科の草花は多いが、イヌトウバナも山でよく見る花である。白か薄いピンクの小さな花で目立ちにくいが、気を付けて見ると結構多い。トウバナ属にはトウバナ、イヌトウバナ、ヤマトウバナ、ミヤマトウバナなどがあり区別が難しいが、平地で見るのはトウバナが多い。イヌトウバナは全国各地の山地で見るが、ヤマトウバナは中部地方以西の山地、ミヤマトウバナは近畿以北の深山で見る。トウバナは花期が長く5-8月、イヌトウバナは8-10月が中心である。 写真の花は、花期が7月のものもあるが、茎や萼に長い毛が多いことから、イヌトウバナで間違いないだろう。葉は少し薄めで鋸歯が目立つが、毛は比較的少ない。 学名は Clinopodium micranthumで、シソ科トウバナ属の多年草である。花期は8−10月。日本全土の山地に生える。 |