京都府立植物園の生態園に変わった木がある。花には萼も花弁もなく、春から秋にかけて、いつも不思議な形の実が付いている。最初5月に見たものが花かと思っていたが、これは雄蘂のとれたもので、本来、長い黄色の雄蘂が沢山付いていると言うことであった。それから4年ほど、毎年5月に木を見に行くが、なかなか雄蘂にお目にかからない。よほど散るのが早いのだろう。今年こそはと狙っている。 ヤマグルマは山形県以西の谷沿いに分布する常緑高木で、樹皮から良質のトリモチがとれるので、「トリモチノキ」とも呼ばれる。ヤマグルマという名前は、枝先に輪生する葉の形か、歯車のように見える実の形に由来するのではなかろうか。 学名はTrochodendron aralioidesで、ヤマグルマ科ヤマグルマ属である。Trocho-dendronは「車のような木(Wheel-like tree)の意味。 ************************************************************** 上の文章を読んで、原田さんから、「いま花が咲いていますよ」と、雄蘂の付いた花の写真と共にお便りを頂いた。大喜びで飛んでいって写真を撮ってきた。知らせて頂けなければ、今年も5月に出かけて雌蘂だけの花を見るところだった。大感謝である。 原田さんは、名古屋の東山植物園でボランティアの案内人をしておられる。研究熱心で、草木の事に実に詳しい方である。度々京都府立植物園に来て学習されると言うことであった。いつか東山植物園を案内していただきたいものと思っている。 |