久しぶりに訪れた理学部植物園では、八重のヤマブキが待っていてくれた。一重のヤマブキは4月も中旬を過ぎると花を落とすが、八重のものは4月になってからようやく咲き始める。太田道灌が、「七重八重花は咲けどもヤマブキの、実の(蓑)一つだに無きぞかなしき」という返歌をもらったのは雨期の頃であるから、八重咲きしかなかったのは当然である。 ヤマブキの葉は特徴がありよくおぼえられる。学名にjaponicaの名が付いている。八重の方は、園芸品種である。雄しべは花弁となり雌しべも退化しているので、上の歌にあるように実は付かない。一重のヤマブキには実が付く。 学名はKerria japonicaで、バラ科ヤマブキ属である。 |