ウルシ−漆 (2003.5.25、2005.5.24(京大農学部植物園))
 Rhus verniciflua


 かぶれるので近づきがたい木であるが、日本では重要な樹木である。ご存じのように、漆器のことを英語で「japan」という。幹を傷つけて漆液を取るために、日本各地で今も栽培されている。高さが10m以上にもなる落葉樹で、奇数羽状複葉に特徴がある。秋には見事に紅葉する。奇数羽状複葉を持つ似た木に、ハゼノキやヌルデがあるが、ウルシの葉が丸いのに対してハゼノキは細い。また、ヌルデの小葉は丸いが、鋸歯があるのと、茎が扁平であることから区別出来る。(最下段の写真を参照)
 祖母が「漆器を入れて産湯を使わせたから、ウルシにかぶれないはずだ。」と言っていたのを信じてウルシに近づいて、幹・葉の写真を写した。花期は5−6月で、花はいましも満開であったが、残念ながら高いところにしかない。さすがに木に登る勇気は無かったので、望遠で写した。ウルシ科の花は皆似ていて、花だけ見ても区別はなかなか難しい。雌雄異株で、雌花からは8mmほどの球果が育つ。ハゼノキと同じように、果皮からは蝋が採れる。
 学名はRhus vernicifluaで、ウルシ科ウルシ属である。落葉高木で中国、ヒマラヤ地方原産である。京大農学部植物園で写した。



 この花は2005年5月の撮影




ハゼの葉は細く尖り(左)、ヌルデの葉は丸いが鋸歯がある(右)。


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