京都府立植物園の入り口を入ってバラ園に行く途中の左手奥の灌木に小さな花が咲いているので近寄ってマクロで見てみると、なかなか綺麗な花だった。名標板が無いので、「園芸相談」のデスクで聞くと親切に調べて下さった。 高さ1-2mの株立ちになる落葉灌木で、葉は互生し、葉脈はエノキの葉に似ている。7月頃に黄色い雄しべのよく目立つ小さな花を付ける。秋10月になると実が真っ赤に色づいて目を引くようになる。 学名はGrewia bilobaで、シナノキ科ウオトリギ属である。bilobaは葉が最も外側の葉脈の内側で少し裂けた形になっていることを指すようだ。台湾の原産で、中国東部では生け垣などに使われる。 ************************************************************* その京都植物園で拾った種子からの実生を育てて花が付いたと、京都の志賀さんからお便りを頂いた。花が咲いた4本の木のうち、2本からは雌花のような花が、後の2本からは雄花のような花が咲いたと言うことで、写真を貼付していただいた。確かに雌花・雄花の特徴を揃えているが、よく見ると雄蘂も子房も完全には退化して居らず、両生花の面影を残している。雄花らしい花からも少ないながら実が出来ると言われている。各2本の木で、実の付き方がどのように違うのか、志賀さんからのご連絡を楽しみに待っている。 その後、結局雌しべが退化した花からは結実が見られなかったとご連絡を頂いた(2012.11)。 |