タラヨウ−多羅葉 (2000.5、加藤さん、梅本さん)


 もう20年近く前になるが、初めて小石川植物園でタラヨウを見たときには、 葉に一杯字が書いてあるのに驚いた。  その小石川植物園のタラヨウの花の写真を加藤さんが、サイン入りで送って下さった。何とも懐かしい。5月頃に写真のような目立たぬ花を付けるが、 秋の実はモチノキ一般に見られるように赤く美しい。雌雄異株の常緑高木である。
 梅本さんからも小石川の同じ木の写真が届きました。以下は梅本さんによる解説です。
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和名 : タラヨウ
学名 : Ilex latifolia
科名 : モチノキ科モチノキ属
分布 : 本州(中南部)、四国、九州、中国

常緑高木の本種は、樹幹が立ち、樹形も非常に端正です。 モチノキ科ですから、互生葉序であり、特に葉表には光沢があります。 (所謂、クチクラ層が発達している訳です。)

この樹木の特徴は、やはり「はがきの木」としての側面でしょう ^^。 この木を見掛けると、大体、葉の裏に、落書きがしてあります・・・。 マッチ棒などで、文字をなぞると、其の文字が浮かび上がってきます。

これは、外性酸化酵素により、タンニンが酸化して黒褐色になるから だとされます。 また、本種が仏寺境内に多く植栽されるのは、葉に経文を書いたとさ れる南方産のヤシ科植物、「タラヨウジュ」の葉に因んだものとされます。 其れ故に、仏寺に多く見掛ける訳です ^^。
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雌花−加藤さん


雄花−梅本さん−写された木は同じはずなのに?



樹皮と花−梅本さん


育ち始めた葉−加藤さん


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