もう20年近く前になるが、初めて小石川植物園でタラヨウを見たときには、
葉に一杯字が書いてあるのに驚いた。
その小石川植物園のタラヨウの花の写真を加藤さんが、サイン入りで送って下さった。何とも懐かしい。5月頃に写真のような目立たぬ花を付けるが、
秋の実はモチノキ一般に見られるように赤く美しい。雌雄異株の常緑高木である。 梅本さんからも小石川の同じ木の写真が届きました。以下は梅本さんによる解説です。 ************************************************************** 和名 : タラヨウ 学名 : Ilex latifolia 科名 : モチノキ科モチノキ属 分布 : 本州(中南部)、四国、九州、中国 常緑高木の本種は、樹幹が立ち、樹形も非常に端正です。 モチノキ科ですから、互生葉序であり、特に葉表には光沢があります。 (所謂、クチクラ層が発達している訳です。) この樹木の特徴は、やはり「はがきの木」としての側面でしょう ^^。 この木を見掛けると、大体、葉の裏に、落書きがしてあります・・・。 マッチ棒などで、文字をなぞると、其の文字が浮かび上がってきます。 これは、外性酸化酵素により、タンニンが酸化して黒褐色になるから だとされます。 また、本種が仏寺境内に多く植栽されるのは、葉に経文を書いたとさ れる南方産のヤシ科植物、「タラヨウジュ」の葉に因んだものとされます。 其れ故に、仏寺に多く見掛ける訳です ^^。 ************************************************************** |