タンナサワフタギ−耽羅沢蓋木 (2005.5.21、2007.7.8、よしゆきさん)
 Symplocos coreana


 よしゆきさんから届いた4点目の完全セットは「タンナサワフタギ」である。5月、7月、10月と通われて、花、葉、幹、若い実、熟した実を撮影された。このようにして、1本の木の1年を追うのは、大層楽しみなものである。また、植物にあわせた1年計画なので、時間がゆっくりと進み、気持ちがおおらかになるように思う。送っていただいた花は5月に、実は10月に分けて掲載した。
 タンナサワフタギの属するハイノキ科のサワフタギやハイノキ、クロバイ、クロキなどは、いずれも花弁から長く突き出す白い雄しべがよく目立つ。葉は互生で、先端が尖り、鋭い沢山の鋸歯を持つ。6月頃に枝先に円錐花序を出し、白い清楚な花を付ける。サワフタギやクロミノニシゴリとも、花は似ているが、葉に際だった鋸歯があるので区別できる。秋10月には、黒く熟した実が枝先に付く。
 学名はSymplocos coreanaで、ハイノキ科ハイノキ属の落葉低木である。関東以西に分布する。耽羅とは済州島のことである。

5月下旬、雄しべがよく伸びたタンナサワフタギの花



鋸歯が目立つタンナサワフタギの葉、7月


全体に毛は少ないが、裏面の葉脈上に集中する。葉脚はくさび形。


樹皮は灰褐色。薄くはがれているのが解る。


大きくなった木の幹


高さ5mほどの低木


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