泰山木は上品で風格があり、大きな白い花が咲くので、庭木として好んで植えられる。しかし、花の後の集合果はハクモクレンなどと同じく、ややグロテスクである。ところが、11月になって赤い実が弾けて出てくると様子が一変して、風情が出る。しかし、この赤い実を見るのは意外と難しい。鳥の大好物だからである。 その赤い実の弾ける様子を写した見事な写真が、興奮さめやらぬお便りと共に、村松さんから届いた。 *************************************** ..この赤い実のぶら下がった状態を見たくて、私は公園のタイサンボクを、友人AとKとUは自宅のタイサンボクを観察し続けました。 そして、10月31日。最上段の写真とともに、次のようなmailが友人Uから届きました。「昨日庭のタイザンボクの実から赤い実が一つ飛び出しました。今朝は、二つ目がはじけそうになっていました。はしごに登ってよく見ると、テグスのような紐がついていました。その紐がもっと伸びてぶら下がるのでしょうか。」...興味津々で次の写真を待ちました。 そしてついに、11月2日。待望の写真(2枚目)が次のmailとともに届きました。「今日、二つの赤い実が、イヤリングのように揺れていました。これだ! 大急ぎで脚立を出して上りました。ピントがもひとつですが、ぶら下がった感じがよくわかるのを1枚お送りします。....もっとたくさん撮っておけばよかった!(明日も撮れると思っていたのに・・・)夕方出先から帰ったら、主人が「三つとも鳥が食べてしまったぞ」お昼過ぎにはもう無かったそうです。タイザンボクは、赤いイヤリングを揺らすのは、鳥に食べてもらうためだったのですね。」 みんな、興奮してしまいました。 そろそろ我が家の木も、と昨日から2人で警戒していたのですが、今朝6:30頃、夫が 「あっ!鳥!」と叫ぶので見たらもう赤い実はありませんでした。夫はヒヨドリが出っ張っていた実をくわえて飛び去るのを目撃したそうです。...もう一つ、それほど出っ張っていない赤い実があり、ヒヨドリが2羽ウロチョロしているので、注意していたのに、ふっと見るともうありませんでした。30分以内のことです。Uさんがいかに幸運に恵まれたか分りました。 **************************************** このメールに釣られて、私もちょっと頑張ってみた。赤い実を写すことは出来たが、ぶら下がって揺れる様子は、やはり無理であった。 Uさん、良かったですね! 学名はMagnolia Grandifloraで、明治5年に渡来した、北米中南部の原産である。 |