ソウシジュ−相思樹 (2004.5.11、中島さん)
 Acacia confusa


 ソウシジュ(相思樹)の名前に惹かれる。由来を知りたいものだが情報がない。花や木の色や形からは「相思」という雰囲気を感じないので、この木の下で愛を語ったというような中国の故事があるのかも知れない。その花と木の写真が中島さんから届いた。
 別名をタイワンアカシアと呼ぶように、花はフサアカシアと似ている。違いは、フサアカシアやギンヨウアカシアの葉が偶数羽状複葉であるのに対して、この木の葉はまるでナギの葉のように細く葉脈が縦に走ることである。
 しかし、じつは花が咲き始める若葉の頃には、立派な羽状複葉の葉があり、このナギのように見える葉?の先端から長く伸びている。この葉は直ぐに落ちて、後に葉柄だけが残り、それが永く残って葉のように見えるわけである。
 花は4-5月に咲く。直径1cmほどで雄蘂が放射状に出て黄色い玉のように見える。沖縄には防風林用の木として1906年に移入されたという。台湾・フィリピンなどが原産地である。今も街路樹や校庭樹として沢山の木が植えられている。花の後には、10cm前後の豆が下がる。
 戦前、沖縄県女子師範学校の校門前にあったソウシジュの並木にちなんで、1945年に「相思樹の歌」が卒業生に捧げられたが、その直後に米軍が沖縄に上陸し、ひめゆりの塔の悲劇となったことが今も伝えられている。
 学名はAcacia confusaで、マメ科アカシア属である。confusaはconfuse(紛らわしい)の意味であるが、葉が誤解しやすいことを指すのであろうか。



沖縄では街路樹として人気がある。


葉のように見えるのは葉でなく葉柄である。葉は早くに落ちる。



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