ソテツ−蘇鉄 (1999.7、2000.7.24、2003.11(中島さん))
 Cycas revoluta


 自生地は九州南部以南の暖地であるが、日本各地に植えられている。 とくに寺院に多く、なかには国の天然記念物に指定されている大蘇鉄もある。 たとえば熊本県大野下の「蘇鉄家の蘇鉄」は根元周囲が8m以上もあり 巨木の仲間に入る。
 京大の時計台の裏にも蘇鉄が植えられており、ある時中央からニョッキリと 大きなツノが出ているのに気付いた。この木は雄の木で 雄花が見事に咲いていたのである。今年は、志摩半島の大王崎の近くで 雌花に出会った。雌雄異株で6−8月に花を付け、 やがて2-4cmの褐色の卵のような実となる。実は食用にもなる。
 蘇鉄の由来は、幹が鋼のように強いからとか、鉄を与えるとよく育つからとか 言われるがはっきりしたことは解らない。
 学名はCycas revolutaで、ソテツ科ソテツ属である。 英語ではJapaneze sago palmと呼ばれるが、これは サゴヤシからサゴ澱粉が採れるように、ソテツの幹から澱粉がとれるからと思われる。 しかし、よく晒さないと中毒するので、飢餓の際に「蘇鉄地獄」などと言われた。
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 沖縄地方ではソテツは自生し、秋には赤い実が収穫される。沖縄の久米島では、今も11月にソテツの実を収穫し、2ヶ月かけて丁寧に晒して毒を抜き、郷土料理を作っている。ソテツの実の写真を、中島Moeさんから送っていただいた。(2003.11)

雄花



雌花


11月、ソテツの赤い実(中島さん撮影)



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