シキミ(樒)−2 (2001.4、梅本さん)
 Illicium anisatum


 新しいシキミの花が、梅本さんから送られてきました。説明文も梅本さんです。 以前にご紹介した黄色のものは学名が、Illicium religiosumであったが、梅本さんが送って下さったものは、やや白く、学名も少し違うようである。
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和名 : シキミ
別名 : ハナノキ
学名 : Illicium anisatum
科名 : シキミ科 
分布 : 本州(東北南部以南)、四国、九州、沖縄、台湾、中国
(●最近、「シキミ」をシキミ科シキミ属として扱う事があります。学名、科名等で、梶本さんの挙げられたものと、やや異なりますが、同一種です。)

 お寺や墓地の何処かに、必ずと云って良いほど植えられているのが、この「シキミ」です。本種は、その枝葉を折ると特有の香気が致します。そこから、「香の木」とも呼ばれます。

 神事には、「サカキ」が用いられますが、墓前の供花としては本種を供える事から、「ハナノキ」とも呼ばれます。しかし、昔は神事の「神花」として用いられており、京都には、火除けとして神棚に飾るなどして、その名残を残す神社も御座います。

 また、墓地などに必ず植えられるのは、この香気が「狼」などに嫌われる事から、死者の遺体を守るという意味合いもあるようです。この樹皮や葉の乾燥粉末は、「抹香」や「お線香」に用いられ、木材は「数珠」などにも加工されます。

 名前の由来は諸説あり、有毒の実から「悪しき実」と転じたものだとか、四季に芽が出る事から「四季芽」とされたりと、色々の様です。

 よく中国の「トウシキミ」の実(八角、ダイウイキョウ)と誤認して、本種を食して事故が起きる事もありますので、呉ぐれも充分に注意して下さい。

(H13.4.8 小石川植物園にて)  梅本浩史 
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