3年越しに写したいと思い続けてきた花がある。シウリザクラである。京大農学部植物園の北東隅にあるのだが、高くて花が撮れない。しかも、2年続けてタイミングを失していた。ところが、昨年もう少し奥に足を運んだところ、小振りのシウリザクラがもう一本植わっているのに気が付いた。今年は何とかものにしようと、5日おきに観察に行った結果、5月の連休に入ってようやく白く咲く花を写すことが出来た。 本州中部以北の山地に生える落葉高木で、ウワミズザクラや、エゾノウワミズザクラに似ている。穂状の花序を出して基部から先端へと咲いて行くが、先端が開く頃には基部の花は枯れていることが多い。丁度、リョウブの花のようである。山地での花期は5-6月である。 学名はPrunus ssioriで、バラ科サクラ属である。ssioriはシオリをそのまま採ったものであり、「シオリ」はアイヌ語のシュ・ニ(苦い・木)から来ていると言われる。アイヌは、この木の樹皮を煎じてお茶や薬として飲んだと言われている。 |