セイヨウハコヤナギ(イタリアポプラ) (2007.10.30、2009.6.7(梅本さん))
 Populas nigra var. italica


 北大のポプラ並木は有名である。このポプラはヨーロッパの原産で、欧州中部を列車などで旅すると、あちこちで長く伸びた並木を見かける。アメリカ原産のカロリナポプラが横幅の広い樹形を示すのに対して、イタリアポプラは何処までも真っ直ぐに天を突くように伸びる。ポプラは雌雄異株であるが、イタリアポプラは殆どのものが雄木である。原種のクロポプラ(Black poplar, Populus nigra)は横にも拡がる巨木であるが、殆ど見ることが無く、ヨーロッパで見る多くのポプラはイタリアポプラである。挿し木でよく増え、今は北半球中緯度地域の何処にでも見られる。生育が極めて早いが、寿命は短く、北大のポプラ並木は倒木の危険があると言うことで立入禁止になっている。
 下の写真は、ニュージーランドの観光地クイーンズタウンの湖水に突き出た庭園を散策中に撮った。この公園は植物園になっていて、ニュージーランドやヨーロッパの木々が植栽されている。訪れたのは10月で、早春の花々が美しかった。もうしばらくすると、セイヨウハコヤナギの花も咲き、やがて綿毛が一面に飛び始める。花や綿毛はヤマナラシと類似している。
 学名はPopulus nigra var. italicaで、ヤナギ科ハコヤナギ属の落葉高木である。ヨーロッパ中部を中心に分布する。英名はLombardy poplar。和名はセイヨウハコヤナギあるいはイタリアヤマナラシと呼ばれる。

クイーンズタウンのイタリアポプラ(2007.10)





北大のポプラ並木
−直立するイタリアポプラと、やや幅の広いヨーロッパクロポプラ(Europe black poplar、Populus nigra L.)が混じっているようだ。(2008.6)



梅本さん撮影の北大のポプラ並木(2009.6.7)


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