オオヒョウタンボク−大瓢箪木 (2005.10.2、2009.7.16、2009.8.13(橋口さん))
 Lonicera tschonoskii


 栂池自然園を散策中に、ハナイカダかなと思って近づいてみるとオオヒョウタンボクだった。蕾の時には花柄がピッタリと葉脈にくっ付いて、葉の中央から花が出ているように見える。開花と共に首を持ち上げ、葉柄と花柄が並行していることが分かる。
 ヒョウタンボクと言われるスイカズラ属の木には幾つかの種類がある。いずれも赤い実が2つ並んで付き、瓢箪を連想させる。キンギンボクとも言われるヒョウタンボクが最も普及しており庭木としてもよく使われるが、葉が比較的小さく、2つの実は独立していることが多い。これに対して、オオヒョウタンボクやオニヒョウタンボクでは、2個の実が融着して1つの瓢箪が出来上がる。
 中部地方の山地でよく見られるヒョウタンボクは、オオヒョウタンボクかオニヒョウタンボクのどちらかであることが多いが、花の時期と色は、前者が7月で白、後者が5月で薄黄色である。9月に赤い実が見られるのは前者、7月に見られるのは後者である。木の高さはオニヒョウタンボクの方が高く、3m程度になる。イボタヒョウタンボクも9-10月に赤い実を付け、中部地方で見られる種であるが、葉の基部の形が細いので、オオヒョウタンボクと区別できる。
 花を撮って一月後に、常念岳に登られた橋口さんが、一の沢で撮ったオオヒョウタンボクの赤い実を送って下さった。綺麗なひょうたんになっている。実は10月頃までは木に残っていることがあり、以前、西穂高山荘の横で、殆ど枯れかけたオオヒョウタンボクの赤い実を写したことがある。
   学名はLonicera tschonoskiiで、スイカズラ科(Caprifoliaceae)スイカズラ属の落葉低木である。中部・関東の山岳地帯に分布する。

7月の蕾。花柄が葉の中央まで伸びている。


開花始まる


7月の花



8月の実。2つの実が融着して瓢箪の形になった。(橋口さん撮影、2009.8.13)



10月始めまで残っていた実(2005.10.2)


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