京都東山の清水山付近を歩いていて、白い花を見たように思って撮ってみると、もう花弁は散って、膨らみ始めた白い子房だった。花の付き方、葉の形、木の大きさから「オオバスノキ」と同定した。スノキ属のよく見る木には、スノキ、ウスノキ、オオバスノキがあるが、オオバスノキは樹高が小さい割に葉が大きく4-9cmある(他の2つは2-4cm)。また、葉の裏が白いのもオオバスノキの特徴である。葉脚の形は、ウスノキが丸く、他の2つはやや尖る。ただ、分布はスノキが中部日本以西、オオバスノキが同以北となっているので、オオバスノキが京都で見つかるのは意外である。 オオバスノキの花は、4-5月に咲き、紅色を帯びた緑白色である。釣り鐘型で先端は浅く5裂する。丸い液果は直径8mmほどで、9月頃には黒く熟す。 学名はVaccinium smalliiで、ツツジ科スノキ属の落葉小低木である。北海道および中部地方以北に自生する。 ****************************************************** 福島県の吾妻連峰にある浄土平に登ったときに見かけた木と実である。こちらは中部地方以北なので、間違いないだろう。実は既に紫になっている。(2015.8) |