オオバアコウ−大葉赤榕 (2006.7.23、中島さん)
 Ficus caulocarpa Miq.


 中島さんからオオバアコウの写真が届いた。アコウとは葉脈の数や葉の大きさが違うだけで、区別が付きにくい。ガジュマルやアコウと同じく、気根を垂らして寄生主の木を絞め殺してしまう殺し屋の一つである。イチジク属であるので、花は花嚢の形を取る。5月頃に枝や幹に沢山の花嚢を付け、夏には白く熟して鳥たちの餌になる。
 学名はFicus caulocarpa Miq.で、クワ科イチジク属の常緑高木である。西南諸島以南に自生する。
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 下の写真は7月に行われるウタキの祭りの際に中島さんが撮られたものである。ウタキは島民が厳粛に行うもので、外部の人がウタキに参加できることは希である。中島さんのメールに詳しい説明があった。
 「7月23日は石垣島の宮鳥ウタキや真乙婆(マイツバ)ウタキほか4字合同の豊年祭でした。石垣島でもっとも大きい祭で、厳かなものです。他の地域の祭には部外者禁止や、撮影禁止のところもありますが今年は、神司(カミツカサ)の知遇をえて、男子禁制の聖地でのお祈りにも立ち会うことが出来ました。
 石垣は方言で「イシャナギ」と言われており、古事記のイサナギノ命に由来する名とも言われています。祭で奉納される歌にもイシャナギと唄われておりました。また、司が不在となった地域では、ウタキを粗末にあつかったためにたたりがあるという話も現実にあり、神秘の島でした。
 さて、数あるウタキのなかで、気になった樹木を見つけたので、写真をお送りします。ウタキは御嶽と書きます。
オオバアコウ:真乙婆ウタキにあり、大綱引きの縄を作る場を提供していました。」





ウタキに集まった島民の人達


真乙婆ウタキでは、オオバアコウの木が大綱引きの縄を作る場を提供している



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