京大理学部植物園は、今は花の少ない時期である。あちこちと花を探していたら
目立たない小さな花が見つかった。葉の陰に隠れるように咲いている。まだ蕾が開きかけたばかりなので、もう少しすると目に付くようになるかも知れない、と思いながらカメラを向けた。 ネコノチチとは面白い名前である。花の感じから付いた名前であろうか。山地に生える落葉高木で、大きいものは10mを超す木になる。花は小さく4mm程度で、5−6月に咲く。8mmほどの実を固まって付けるが、秋にかけて緑−黄−赤−黒紫色と変化していく。 学名はRhamnella franguloidesで、クロウメモドキ科ネコノチチ属である。神奈川県以西に分布する。 ********************************************************** この木は、以前「ハマクサギ?」としてご紹介していましたが、富山の「花バカじじい」こと石澤さんからご指摘をいただき、「ネコノチチ」であることが分かりました。 ********************************************************** よしゆきさんから、実と花・葉の完璧な写真が以下のお便りと共に届きました。 「7月にこの木を見つけたときには、コクサギ型の葉序を見て、イソノキと思ってしまいました。楕円形の幼果がついていましたが、変異の範疇かなと勝手に思ってしまいました。でも先日見に行ったら楕円形の実がたくさん並んでいて、これは違うと思って調べてみるとネコノチチだったというわけです。よく見ると花の形も葉も細く少し違いますね。詳しい写真を写していませんので、また秋の実の様子に合わせて写してこようと思っています。」(2008.8.12) |