ムユウジュ−無憂樹 (2001.8.17、2004.10(梅本さん)、2007.2.27)
 Saraca asoca


 梅本さんがタイで写したムユウジュの花を送って下さった。とても美しい印象的な花である。摩耶夫人が手に取ろうとされたという話は、頷ける。以下は梅本さんの解説です。
************************************************************
和名 : ムユウジュ (無憂樹・無憂華)
別名 : アソカノキ、アショーカ樹 (Asoka:インド名)
学名 : Saraca asoca
科名 : マメ科
原産 : インド、東南アジア
撮影 : タイ(ワット・アルンにて)

 お釈迦様に関わる「仏教三大聖樹」と呼ばれる木々があります。お釈迦様が「悟り」を啓かれた「インドボダイジュ」と言うクワ科の聖樹。お釈迦様の「入滅」に関わるフタバガキ科の聖樹「サラノキ」。そして今回ご紹介するのが、お釈迦様の「誕生」に関わる聖樹「ムユウジュ」です。
 2500年以上も前、お釈迦様の母上である王妃マーヤが、インドに程近いネパールの「藍毘尼園(ルンビニー園)」にて、「無憂樹」の花が、あまりに見事に咲いていた為、其の花房を手折ろうとして右手を上げた瞬間、其の右脇からお釈迦様が生まれたと言われます。其れに由来して、熱帯アジア各地の寺院でも「瑞兆」をあらわす本種がよく植栽してあります。(^-^)
************************************************************
(2001.8.17)下2段の写真
 仏教三大聖樹である、ボダイジュ・ムユウジュ・シャラノキの一つで、お釈迦様がこの木の下で生誕されたと言われる。
 写真のものは、神代植物公園にあった若木である。
 インドではアソカと呼ばれ、シヴァ神の妃パールヴァティが好んだ木であることから、特に女性にとって、縁起の良い木とされる。
 マメ科の木で、春先に赤ーオレンジ色の花を付けるが、色の付いた部分は萼で花弁は退化している。花の後に鞘をつけ、大きな豆ができる。この花は女性に好まれ、摩耶夫人が無憂樹の花をとろうとした時、お釈迦様が生まれたと言われている。このため、インドの寺院によく植えられる。
 学名はSaraca asocaで、マメ科に属する。インド名はashoka tree。(2001.8.17)
***********************************************************
 梅本さんから送っていただいた美しい花を一度みたいと思っていたら、今年は2度も見る機会に恵まれた。一つは、沖縄の亜熱帯植物園温室、もう一つは京都府立植物園の温室で、どちらも2月のことであった。沖縄のものは、盛りを過ぎて、雌蘂から豆が育ち始めていた。(2007.2)

梅本さん撮影のムユウジュの花


憩いの日陰を作るムユウジュの木


タイの寺院の周りにはお釈迦様ゆかりのムユウジュが植えられている


京都府立植物園で写す(2007.2.28)




沖縄亜熱帯植物園で写す−雌蘂が豆に変わり始めている。(2007.2.17)


神代植物園で写す(2001.8.17)


木々のリストへ戻る