オオモクゲンジの木は時々見かけるが、モクゲンジを京都近辺で見ることは滅多にない。自生種が主として日本海側に分布するためであろう。その日本海の海沿いに民宿を開いておられる山下さんから、4年越しのモクゲンジの写真が届いた。 オオモクゲンジと同じく、黄色の花を木一面に付けるが、花期が6月下旬−7月初旬であり、9月に花を付けるオオモクゲンジとは、はっきり区別できる。遠くから見ると、まるでアカシアの花のように見えるが、近づいてみると全く異なる。葉は奇数2回羽状複葉であるが、小葉の大きさと数がアカシアとは違っている。花の後、大きな袋状の果実を付け、よく目立つ。以下は、山下さんのお便りからの抜粋です。 「モクゲンジは、ムクロジ科の落葉低木で、葉がセンダンに似ていることや、実を数珠に使うなど仏教とかかわりが深いことから「せんだん葉の菩提樹」という別名もあります。生えているのは、香住町一日市の岡見公園の裏山といった場所で、岡見公園の東側登り口付近です。南方系の木ですが、対馬暖流に乗って実が漂着して茂ったらしく、日本海の沿岸部にはちょこちょこみられるそうです。しかし、ここは、およそ100本もあり(道からは数本しか確認できませんでしたが・・。素人なので)、これだけ群生しているのは珍しいそうです。6月後半から7月初めにかけて小さな黄色い花がいっぱい咲き、梅雨のうっとうしい時季、一服の清涼感を味わわせてくれます。」 学名はKoelreuteria paniculataで、ムクロジ科モクゲンジ属である。中国原産で、寺院などによく植えられる。 *************************** なお、山下さんは蟹の美味しい香住の海岸に「ほのぼの民宿 木舟」を開いておられて、自然体験学習などで人気があるようです。皆さんも一度如何ですか。詳細はここをクリックして民宿のホームページをご覧下さい。 |