メグスリノキ−目薬の木 (1999.12(加藤さん)、2004.4.25)
 Acer nikoense


 加藤さんが12月に撮られた、メグスリノキの素晴らしい紅葉が送られてきた。 以下は加藤さんの解説です。
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メグスリノキ ― 紅葉(12月中旬・小石川植物園)

 メグスリノキは日本特産のカエデの仲間で、分布は、本州(山形県、宮城県以 南)、四国、九州(熊本県南部まで)です。福島、群馬、栃木、茨城などに比較的多 いそうです。
 カエデの仲間というと普通は掌状葉ですが、メグスリノキは3枚に別れています。 ミツデカエデ・ヒトツバカエデ・チドリノキなどとともに個性的なカエデです。葉に は黄褐色の毛が生えていますが、特に裏面と脈上に多いです。秋には美しく紅葉して ひときわ目立ちます。
 なんといっても面白いのはメグスリノキという名前。古くから目にいいとして洗眼 などに使われてきました。肝臓にもいいそうです。山に行くと売店で健康茶などとし て売られているのをよく目にします。
 学名は Acer nikoense Maximowicz でカエデ科カエデ属。別名・地方名は長者 の木・千里眼の木など。日光植物園ではメグスリノキに限らず日本産のほとんどのカ エデや海外のカエデ数十種が見られます。

<学名の nikoense について>
nikoense:栃木県日光産の
…日光は明治以前から薬草採取地として有名でした。明治になって近代植物学が日本 にも誕生すると、矢田部良吉、松村任三、牧野富太郎、早田文蔵、中井猛之進など、 多くの植物学者が日光地方の植物を研究しました。そのような歴史的背景から、日光 地方のものを基準に学名が与えられたもの(例:ヤハズハンノキ、オオカニコウモリ など数十種)や、日光地方の名前が学名・和名に入っているもの(例:メグスリノ キ、イチリンソウ(Anemone nikoensis)、ニッコウシダ、シラネアオイなど)が多 いのです。
* なお、メグスリノキの英名はズバリ Nikko maple と言うそうです。
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春4月の若葉



7月の葉



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