マメナシ−豆梨 (2002.4.7(濱田さん)、2004.4.16(伊藤さん)、2005.4.15)
 Pyrus calleryana Decne


 以前に濱田さんから送って頂いたマメナシの木の花を、偶然京大の理学部植物園で見付けた。タイミング良く、まだ雄蘂がピンク色であった。面白いことに、京大のもの、濱田さん撮影のもの、伊藤さんのもの、それぞれに葉の形が異なっている。マメナシには幾つかの品種があるのかも知れない。ちなみに、京大のものの学名には、上記に続けて、var. dimorphophillaとあった。「葉に2つの形がある」という意味である。(2005.4.15)
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 愛知県瀬戸市の濱田さんから「マメナシ」の花を送っていただいた。貴重な写真である。以下は濱田さんの解説文です。
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 バラ科ナシ属。
 愛知県を中心に三重・岐阜・長野県だけに分布する、東海湖要素植物群の代表。
 環境庁がまとめたレッドリストでは、最も絶滅の危機に瀕している「絶滅危惧IA類」に指定されている。
 愛知県名古屋市守山区内に200株集中してるようです。この写真はフルーツパークで撮りました。(2002.4.7)
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 「伊勢湾要素」とも呼ばれる伊勢湾周辺にのみ自生する植物群には、ヒトツバタゴ、ハナノキ、トキワマンサク、シデコブシなどがあり、多くは絶滅危惧種に指定されている。マメナシもその一つで、自生地は少なくなって、大きい木は天然記念物に指定されているものが多い。名古屋市守山区、知多市金沢、三重県多度などに自生林や大きな木が見られる。
 名古屋周辺では4月始め、桜に続いて白い花を付ける。別名「イヌナシ」と呼ばれるのは、その実が小さくて(1cm程度)まずいからであろう。しかし、食用梨の原種の一つと言われている。
 学名はPyrus calleryana Decneで、バラ科ナシ属である。
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 三重県の伊藤さんからも、マメナシ(イヌナシ)の写真が届きました。お便りには「例年ゴールデンウィーク前になると、当地の新聞のローカル版に紹介されるイヌナシの花が早くも満開になりました。三重・北勢地方だけに自生するものかと思ってましたが、先日伊勢の方で花を咲かせた、新聞記事が出てました。」とある。(2004.4.16)
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 また、永井さんからは、「私は今、米国ケンタッキーに在住していますが、この季節に町中に咲く花があります。地元の人に聞くとBradford pearという樹だそうです。白い花がいっぱい咲いてとてもきれいです。香りは栗の花の香りをもう少し弱くしたような香りです。花の形は桜にいていますが色は白です。ペアーというくらいで、地元の人は実はならないといっていましたのでなしの種類でしょうか。日本ではなんと言う名前でしょうか。」というお便りを頂いた。この、Bradford pearもマメナシの一種である。(2004.4.11)

京大理学部植物園で見付けたマメナシの花





濱田さんから送って頂いたマメナシの花



伊藤さん撮影の写真である


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