クロツリバナ−黒吊花 (2005.9.25、2009.7.15)
 Euonymus tricarpus


 栂池高原自然園の風穴付近で見付けたもう一つの木はクロツリバナであった。ツリバナは種類が多く、ヒロツリバナ、アオツリバナ、オオツリバナ、クロツリバナ、そして普通のツリバナがある。ツリバナは日本全土に分布するが、アオツリバナは九州南部に、ヒロハツリバナは四国と近畿以北に、オオツリバナとクロツリバナは中部地方以北、北海道に分布する。見分けが難しいが、刮ハを見ると区別出来る。ツリバナとオオツリバナは球形で5裂し、アオツリバナは球形で4裂、ヒロハツリバナは4稜(十字架に見える)、クロツリバナは3稜である。以前に西穂高ロープウエーの近くで撮った実は、吊り糸が枝に絡まっているが、3稜になっておりクロツリバナであることが分かる。
 花期は7月で、写真のように長い吊り糸を出して暗赤色の花を付ける。写真の花は雄花である。葉には細かい鋸歯がある。
 学名はEuonymus tricarpusで、ニシキギ科ニシキギ属の落葉低木である。本州中部以北、北海道に分布する。ムラサキツリバナとも言う。

栂池自然園の風穴付近で写す






西穂高で写したクロツリバナの刮ハ−3稜になっている(2005.9.25)


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