10月も終わりになると、カラスザンショウに紅紫の実が目立つようになる。7月に花が咲いた京都府立植物園の大木の梢にも沢山の小さな実が見られる。そして、秋の深まりと共に、実も葉も落としていく。 カラスザンショウの葉は、奇数羽状複葉で10対以上も小葉が出る。小葉を持つ大きな葉は互生している。小葉はハゼノキの葉のように長くて先が尖がるが、ハゼノキと違って縁に鈍い鋸歯がある。また、透かしてみると油点が見られる。油点はミカン科の木の葉によく見られ、この中にある油状の液体には独特の芳香がある。 幹を見ると、鋭いトゲが付いている。素手ではとてもさわれない。ハゼノキやウルシと葉の付き方は似ているが、これらの木の葉は全縁であり、幹にはトゲがない。ただ、カラスザンショウのトゲは木が大きくなると小枝を除いてほとんど無くなってくるようだ。 学名はFagara ailanthoidesで、ミカン科イヌザンショウ属の落葉高木である。 |