アカミノイヌツゲ−赤実の犬黄楊 (2008.7.28、2009.7.16)
 Alnus maximowiczii


 イヌツゲはモチノキ科の木で、ツゲ科の木ではない。ツゲと比べて、イヌツゲの花は雄蘂が少なく目立たないので区別できる。さて、アカミノイヌツゲもモチノキ科の木であるが、イヌツゲとの区別はどうだろうか。イヌツゲの実は黒紫色、アカミノイヌツゲは名の通り赤いので、実があれば簡単に区別できるが、実の無いときにはなかなか難しい。
 昨年の月山では暴風の中で、今年はしとしと雨の立山で写したものは、実がないが、アカミノイヌツゲと同定した。どちらも可愛い花が咲いていたが、花からは区別できない。唯一の差は葉の鋸歯である。イヌツゲは鈍鋸歯があるが全縁に近いのに対し、アカミノイヌツゲは上半分に鈍いがはっきりと分かる鋸歯がある。また、分布も本州では高山に限られる。
 白い小さな花は6−7月に付き、雄花は数個、雌花は1個ずつ付く。雌雄異株である。雌花からは7mmほどの実が成長し、熟すと赤くなる。  学名はIlix sugeroki var. brevipedunculataで、モチノキ科モチノキ属の常緑低木である。brevipedunculataは「短い花柄を持った」という意味で、花柄があるがソヨゴなどと比べると短い。中部地方以北の本州の高山と北海道に分布する。

7月の花



雄花の構造がよく分かる


雨の中の全体像


木々のリストへ戻る