函南原生林を歩くと、結構沢山のイヌガヤに出会った。「イヌ」の付くものは多い。イヌブナ、イヌシデ、イヌツゲ、イヌガシ、イヌエンジュ、イヌビワ、イヌマキ、イヌザクラ、まだまだある。しかし、科名になっているものは「イヌガヤ」ぐらいであろうか。イヌガヤの仲間には、日本海側に分布して、雪に打たれて地を這うハイイヌガヤがある。 常緑針葉樹で小高木であるが、中には10mを越すものもある。雌雄異株で、3−4月に開花し、実は翌年の10月頃に赤く熟す。葉は一見痛そうに見えるが、柔らかくて触っても刺されない。葉の裏には白い気孔帯が見える。 学名は、Cephalotaxus harringtoniaで、イヌガヤ科イヌガヤ属である。別名をヘボガヤとも言う。 |