最初にイヌエンジュの花に出会ったのは、子ども達が結婚し、初めて家族で旅行した軽井沢であった。子ども達がテニスに興じている最中、私は周りを散策して木々の花を写した。二度目は、層雲峡温泉である。朝早く起きて宿の周りを散策していて見つけた。こちらはタイミング良く花が満開で、まだ痛みが無くとても新鮮で綺麗だった。 エンジュが円錐花序であるのに対して、イヌエンジュは複総状花序で花を付ける。一つ一つは穂状に見える。花は7−8月で、エンジュよりやや遅れて咲く。類似の種に「ハネミイヌエンジュ」があるが、ハネミイヌエンジュが本州西南を中心として分布するのに対して、イヌエンジュは中部地方以北に棲み分けている。葉の感じが、イヌエンジュの方が丸く先端の尖りが少ない。花や葉の色もイヌエンジュの方が明るい。ただ、最近はハネミイヌエンジュはイヌエンジュと同種とされて、和名はイヌエンジュに統一されているようである。 学名は、Maackia amurensis var. buergeriで、マメ科イヌエンジュ属の落葉高木で高さ15mほどになる。別名をオオエンジュという。 ************************************************************* これまで、ハネミイヌエンジュ(Maackia floribunda)とイヌエンジュ(Maackia amurensis)は別種として記載されてきたが、最近は同じものとしてイヌエンジュ(Maackia amurensis Rupr. et Maxim.)に統一されている。 参照文献:米倉浩司・梶田忠 (2003-) 「BG Plants 和名−学名インデックス」 |