秋の銀杏の黄葉は見事だが、春のイチョウも美しい。冬まだ寒い間に樹皮に覆われた冬芽を伸ばし、春を待ちかねたように若葉を付ける。若葉の間からは花の蕾が覗き、やがて穂のような雄花を一杯に付ける。雌花は小さくて目立たない。雄花が散ると木の下は白い穂状の落花で一杯になる。 イチョウ科の樹木は、数万年前まで地球上に広く繁茂していたが、やがて次々と消え、今では「イチョウ」がイチョウ科でただ一つの木となってしまった。 学名はGinkgo bilobaで、イチョウ科イチョウ属である。西洋での俗称はmaidenhair treeである。 |