山でホオノキの花を見かけると、ちょっと感動を覚える。花も葉も雄大であり、かつ清楚である。ハイキングに丁度良い低山から、1000mを超す高山まで、よくホオノキを見かける。花がないと、葉の形からはトチノキと見間違うときがある。一般的にはトチノキの方が幹も太く、背の高い巨木になる。全国にトチノキの巨木は多いが、ホオノキの巨木は少ない(奈良県榛原町に「戒場神社のホオノキ」と呼ばれるホオノキの巨木がある)。
町中の公園や神社にも植えられることがあり、京都の下賀茂神社境内の木はよく手入れされて、立派な花を付ける。ホオノキの花は、モクレン科(Magnolia)の花の中では恐らく最大で、泰山木よりも平開して咲くので一層美しい。 飛騨や信州では、大きな朴の葉でくるんだ「おにぎり」を作ったり、朴の葉の上に味噌をのせ、この上に野菜や肉・魚を載せて炭火で焼き、味噌の香りと葉の香りの混じった美味しい料理を出す。「朴葉焼き」として有名で、高山市内の和食のお店で味わうことが出来る。 学名はMagnolia obovataで、モクレン科モクレン属の落葉高木である。日本全土の山地に分布する。学名中のobovateは逆卵型で下部が細くなったものをいい、蕾の形か、葉の形からの連想と思われる。 **************************************************************** 大学同窓の松村さんが、京都に墓参に行った折りに、真っ赤な大きな実が付いた木を見つけて、写真を送ってくれた。写真に写った葉を見るとホオノキである。私の撮った中にも、やや古くなった実が写っていたので、一緒に掲載した。(2012.9.20) |