八重山郡島のマングローブを代表する木はオヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギである。マングローブとは、亜熱帯・熱帯の海岸線や河口に生育する木の総称で、日本ではメヒルギを含む7種類を見ることが出来る(オヒルギのページを参照)。メヒルギは高さ3mほどでオヒルギに比べると小振りだが、密に群生する。 下の写真は、中島さんが沖縄の佐敷町の海岸で撮られたものである。実だけなので同定が難しそうだが、5枚の萼が綺麗に残っており、メヒルギであることが解る。ヤエヤマヒルギは4枚である。また、葉の先端が丸いのもメヒルギの特徴で、オヒルギやヤエヤマヒルギは尖っている。 6−7月の花期には、5弁の白い花が真っ白に付く。メヒルギの実もオヒルギと同じく、2枚目の写真に見るように胎生種子であり、親木に付いたままで若木が成長して下に伸び、落下しても流されることなく、泥土に突き刺さって着床する工夫をしている。 学名はKandelia candelで、ヒルギ科メヒルギ属である。candelは「燭台のような」という意味であるが、1枚目の写真は、まさに装飾された燭台の先端を思わせる。 |