ヒメシャラ−姫沙羅 (2002.6.22)
 Stewartia monadelpha


 長野に嫁いだ娘とサイクリングを楽しんだ。何年ぶりだろう。娘がまだ中学に通っていた頃以来ではなかろうか。長野市の北東にはリンゴと巨峰の果樹園が広がっているが、その中を走って、小布施という町に着いた。葛飾北斎が晩年に逗留していたことで有名な町である。その小布施で、ヒメシャラの花を見つけた。
 シャラノキ(なつつばき)よりはずっと小さく、2cm程度の白い花である。5−6月に咲く。ポツポツと咲いていると、気を付けないと見落としてしまう。葉の方はナツツバキよりも僅かに小さいだけで、やや厚く光沢がある。幹は赤く、ナツツバキと同じように剥がれてまだらになる。低山を楽しむ人々にはヒメシャラはなじみの木であろう。花のない時でも、まだらで赤みがかった独特の幹を見ればヒメシャラと分かる。阪急箕面駅から山道を通って滝に向かうと、沢山のヒメシャラに出会う。
 学名はStewartia monadelphaで、ツバキ科ナツツバキ属である。本州西部以南、屋久島以北に分布する、日本固有種。





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