初めてみると、びっくりする花である。「花筏」という美しい名前が付いているとおり、筏に花束を載せた風情がある。雄花・雌花を5月にご紹介しましたが、実の写真が梅本さんから届きました。以下は梅本さんの解説です。 ************************************************************************** 和名 : ハナイカダ 別名 : ママッコ 学名 : Helwingia japonica 科名 : ミズキ科ハナイカダ属 分布 : 北海道南部、本州、四国、九州、中国 8月、山路のわきや、湿り気のある沢沿いには、この「花筏」の実が生っております。この樹木の特徴は、なんと云っても、葉上に花を開花させる独特の姿にあります。花は、主脈上に付くのですが、雄花は数個付け、雌花の方は通常一個付けます。 本種を見ると「花」という複雑な器官を作り上げた植物達の中にも、「葉」の上に其のまま付ける、古めかしい変わり者も居るんだな…と出会う度に感じます。実際は、花軸と主脈とがくっついてしまい、まるで葉上に付いているかの様に見える訳です。(^‐^) 本種は、別名を「ママッコ(飯っ子)」とも呼びます。摘み取った若芽は山菜として、天ぷらなどが美味しく、実は果実酒にも利用できます。2m程の落葉低木ですが、よく枝分れ致しますから「タラの木」などと違い、収穫量は望めます。しかし、其れが為に、個体数が減る事だけは絶対に避けたいものです。 こういう植物は非常に珍しいのですが、以前、植物観察会において、この実を葉の上に落ちた鳥の糞かと思われた方も居られて、とても可笑しかった事を思い出します。呉ぐれもお間違えの無い様に(笑) 平成12年10月24日 及び 平成13年8月2日 高尾山にて 撮影者:梅本浩史 *************************************************************************** 木下さんからは、実家の庭に咲いたハナイカダの雌花の写真を頂きました。なお、木下さんはガーデニング というホームページを持っておられます。 |