京都に移ってから2年ほど、自宅が遠かったせいもあって、学生下宿の一室を借りていたことがある。その時の大家さんが、最近はブルーベリーの栽培に凝っておられる。何でも「ブルーベリー協会」と言うのがあって、色々な種類のブルーベリーをカタログ販売しており、大変人気があると言うことであった。私はまだブルーベリーの花を写したことがなかったので、有り難く一鉢を頂いて、大切に育てることにした。 4月の中旬にはつぼみが膨らみはじめ、どんな花かと見守るうちに、ドウダンツツジのような白い花が咲いた。昔は、ツツジ科の中ではドウダンツツジのような釣り鐘型の花は例外的だと思っていたが、アセビ、ナツハゼ、エリカ、シャシャンボなど、むしろこの手の花が主流であることが解ってきた。ブルーベリーもその一つである。 浜松フルーツパークには、もちろん広大なブルーベリー園があり、4月下旬は花盛りであった。中にはピンクの品種も見られた。ブルーベリーは北米東北部の原産で、1cmほどの球形の液果は独特の香りがあって、藍黒色に熟したものは生食にもジャムにも用いられる。多くの園芸品種があり、庭木としても植えられる。 学名はVaccinium corymbosumで、ツツジ科スノキ属である。別名をヌマスノキとも言う。 |