もう十数年も前にロスアンジェルス在住の山口さんから満開のアボカドの写真を送っていただいた(最下段の写真)。ところが最近、豊中市の刀根山町(阪大の豊中キャンパスに行く途中)でアボカドの木に花が付いているのを見つけてびっくりした。5月には満開であったが、7月には実が付いて大きく育っていた。 アボカドはクスノキ科の木で、5月に小さな黄色の花を沢山付ける。実は5-10cmほどの長楕円型で、ワニナシとも言われる。栽培品種は多いが、日本で食用にされるアボカドのほとんどはグァテマラ系のハス種である。寒さに弱いが、味が良く熟した実は黒みがかる。他にメキシコ系のものもある。 面白いのは花で、両性花を付けるが、ハス種では、開花1日目の午前に雌しべが成熟して受粉可能となり、2日目の午後に雄しべが成熟して花粉を放出する。従って、同じ種同士では雌しべが午前で雄しべが午後となるため受粉が難しい。ハス種と並んでよく栽培されるフェルテ種では、1日目の午後に雌しべ、2日目の午前に雄しべが成熟するので、これらの混栽が必要となる。 学名はPersea americana。クスノキ科ワニナシ属の常緑中高木で熱帯アメリカの原産である。日本国内でも四国・九州南部で栽培が可能であるが、市販の果実はほとんどが輸入品である。 |