アコウ−赤榕・雀榕 (2000.3.26(京都植温室)、2010.5.6(牧野))
 Ficus superba var. japonica


 クワ科イチジク属の木には、気根を下垂して恐ろしい形になるものが多い。アコウ、ガジュマル、インドゴムノキ等である。アコウは我が国では和歌山県南部以南に見られ、九州から沖縄にかけては巨樹も多い。
 花は5月頃に咲くが、イチジクと同じで花嚢の形を取る。枝や幹に沢山付いた花嚢は、8月頃に熟して淡紅色となる。ガジュマルと似るが、葉はガジュマルより大きく長さ8-15cm、幅4-8cmで、幅長さとも2倍程度ある。また、葉柄が長く4-6cmである。(ガジュマルは2cm以下)。さらに、熟した実の色がガジュマルでは真っ赤であるが、アコウは淡紅色である。果嚢を割らないと解らないが、アコウもガジュマルも雌雄同株である。受粉はイチジクコバチによって行われる。
 学名はFicus superba var. japonicaで、クワ科イチジク属の常緑高木である。

3月の果嚢


5月の果嚢


9月の果嚢。葉の下の白いものは何?


葉は互生だが、輪生しているように見える。葉柄は長い。


葉の裏。基部は丸い。葉脈は縁には届かず、内側で曲がる。


樹皮は年と共にごつくなる。右は若木の樹皮。


和歌山県美浜町の「竜王神社のアコウ


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