ウメバチソウ−梅鉢草
 Parnassia palustris
 5005.8.21(木曽駒 2650m)、2011.8.19(美ヶ原 1950m)、2005.9.4(比婆山 1100m)


 山地の、日当たりが良く湿気のある所に生える多年草で、花茎に1枚の葉と1個の花を付ける。葉は丸く基部は心形で茎を抱く。白い5弁の花には5個の雄しべがあるが、雄しべと雌しべの間に仮雄しべがあって、糸状に12-22裂して先端が黄色に小さく膨れて美しい。一度見ると記憶に残る花である。
 学名は Parnassia palustrisで、ニシキギ科ウメバチソウ属の多年草である。花期は8−10月。日本全土の山野に生える。元来ユキノシタ科に属していたが、新しいAPG分類ではニシキギ科となった。palustrisは湿地を意味する。日本語のウメバチソウは、家紋である梅鉢紋に由来する。菅原道真が使っていたので、天神さまなどで見かける。
 コウメバチソウ(Parnassia palustris var. tenuis)はウメバチソウの高山型で、全体が小型である。花の大きさは約1cmでウメバチソウの半分、仮雄しべの数は9-11個である。花期は8-9月で、中部地方以北の高山に分布する。

可愛い蕾も印象的(2005.9.4 比婆山)


仮雄しべがよく見える(5005.8.21 木曽駒)


ウメバチソウは仮雄しべの分裂が12裂以上(2011.8.19 美ヶ原)


花弁が散った後の方が仮雄しべはよく見える


こちらは仮雄しべの分裂が少ないので、恐らくコウメバチソウ(2008.7.28 月山)


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