シモツケソウ−下野草
 Filipendula multijuga
 2007.8.8、2012.8.16(伊吹山-1300m)


 8月の伊吹山は、淡紅色のシモツケソウでいっぱいである。山の斜面が赤い絨毯を敷いたように見えるところもある。花は確かに庭木に植えられるシモツケとそっくりであるが、葉が全く異なる。葉全体は羽状複葉であるが、一番大きい頂小葉がよく目立つ。5-7裂して先端は尖り、縁に鋸歯がある。花は散房状に密に付き、淡紅色の花弁は3-5枚で、多数の雄しべが目立つ。茎は赤い。
 立山や八方尾根でも見たが、伊吹山ほどの群生は珍しい。天然記念物の指定を受ける「伊吹山頂草原植物群落」の中心をなすが、ニホンジカによる食害を受けて対策が考えられている。食害のため、西日本各地では絶滅危惧種に指定している所が多い。
 学名は Filipendula multijugaで、バラ科シモツケソウ属の多年草である。花期は7-8月。関東地方以西の山地に分布する。

伊吹山山頂付近の斜面はシモツケソウが満開(伊吹山、2007.8.8)


近づくと、花の絨毯。


学名multijugaというだけあって、大型の頂小葉がよく目立つ。


花は半分ほどが開いて、今が見頃。


花は淡紅色で3-5枚の花弁と多数の雄しべを持つ。


色とりどりの感じの群生(伊吹山、2012.8.16)


木本の「シモツケ」は葉が全く異なる。


草花のリストへ戻る