キクバオウレン−菊葉黄連 (2008.3.25、京都府立植物園)
 Coptis japonica var. japonica


 オウレンには幾つかの種類があるが、早春に咲くキクバオウレン、セリバオウレンとバイカオウレン、5−8月に咲くミツバノバイカオウレン、8−9月に咲くミツバオウレンなどがある。キクバオウレンとセリバオウレンは花は似ているが葉が異なる。キクバオウレンの方が葉の分離が少なく大型である。葉は3出複葉で小葉は羽状に深裂する。
 3−5月に白い花を付ける。花弁に見える白い披針形の萼片が5−7枚あり、やや短い白い花弁が同数程度あるので、花は複雑な形に見える。多数の雄蘂が噴出するように見えるのが雄花で、中央に緑の雌蘂が見えるのが雌花である。
 オウレン(黄連)は薬用植物として有名で、その根茎はベルベリンなどのアルカロイドを含み苦みが強い。抗菌作用の他、胃腸薬、鎮静剤としても用いられる。
 学名はCoptis japonica var. japonicaで、キンポウゲ科オウレン属である。北海道から四国の山地に分布する。一般にオウレンと呼ばれるのは本種である。

雌花



群生する雌花



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