山野でよく見かける花である。茎は30-50cmで、上部で枝を分けて花を付ける。特徴は葉や花に黒点が多いことである。オトギリソウ属の花には黒点のあるものが多いが、オトギリソウの葉や花には特に多い。葉は対生で交互に直角に生えるので、上から見ると美しい。 ある鷹匠が、秘密にしていた薬草を弟が人に教えたことに激怒して、弟を斬り殺したといういわれから「弟切草」の名が付いたと言われている。実際、オトギリソウの果実が熟す頃に全草をとって日干しにしたものは「小連翹(ショウレンギョウ)」と呼ばれる生薬で、煎じて止血、鎮痛に使用し、煎汁はうがい薬に用いられる。 学名は Hypericum electumで、オトギリソウ科オトギリソウ属の多年草である。花期は7−9月。日本全土の山野に生える。 |