礼文島の林道を歩いていてよく目に付いた特徴的な花である。日本全土の山地で見られるエンレイソウやシロバナエンレイソウと同じく3枚の大型の葉を輪生し、その中央から5-7cmの長い花柄を出して白い美しい花を付ける。エンレイソウやシロバナエンレイソウと比べて花がずっと大きくよく目立つ。緑色の外花被片が3枚、白い花弁のように見える内花被片が3枚ある。シロバナエンレイソウと比べて内花被片の幅が太く先端の尖りが少ない。雄蘂は6本で、花糸に比べて葯が長いのが特徴である。 花期は5−6月で、標高200mの礼文島林道では6月初めが花の盛りのようであった。同じ頃、札幌の北大高山植物園では既に花が終わって液果になっているのが見られた。 学名は Trillium kamtschaticmで、ユリ科エンレイソウ属の多年草である。北海道・東北地方の山地に生える。カラフトからシベリア東部にかけて広く分布する。 |