キンキエンゴサク−近畿延胡索 (2010.5.5、剣山)
 Corydalis lineariloba var. papillingera


 エンゴサクの同定も難しい。葉には色々な変種があるので、確定的ではないが、このような丸い葉を持つものは、ヤマエンゴサク、ミチノクエンゴサク、ジロボウエンゴサク、キンキエンゴサクがある。ミチノクエンゴサクは分布は中部地方以北なので、剣山にはないと考える。苞の葉を見ると、ジロボウエンゴサクは丸く、ヤマエンゴサクは切れ込みがあるが、鋸歯のように鋭くはない。キンキエンゴサクでは切れ込みが鋭いので区別できる。
 花期は4−5月で、やや湿った谷間に咲く。近畿では比較的よく見られるが、剣山では貴重かも知れない。延胡索は漢方生薬名で、キケマン属の塊茎のことである。日本薬局方にも登録があり鎮痛・鎮痙作用がある。
 学名は Corydalis lineariloba var. papillingeraで、ケシ科キケマン属の多年草である。関東から近畿地方に分布する。

葉は丸く、所々切れ込みがある。苞葉の切れ込みが鋭い。



葉は3出羽状複葉


苞の葉は鋭い鋸状となっている


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